トラリピは「ハーフ&ハーフ」で運用するべき【資金効率向上テク】

今回はトラリピを運用するなら必須の「ハーフ&ハーフ」設定について解説します。

「ハーフ&ハーフ」の最大のメリットは、「買い」と「売り」を組み合わせることで、必要な運用資金を約半分に抑えることができます。

資金効率の向上が図れる、つまり初期資金が少なくても広い範囲をカバーできるようになるため、うまく活用しましょう。

 

 

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『トラリピって何?』という人は以下の記事をご覧ください。仕組みや特徴を詳しく解説しています。

トラリピとは?コツコツ利益を積み重ねる長期運用型のFX投資

 

トラリピ「ハーフ&ハーフ」とは?

資金を抑えることをねらったトラリピ戦略の一つです。

トラリピを仕掛ける範囲(レンジ)の上半分に「売りトラリピ」下半分に「買いトラリピ」を設定する手法です。

 

 

上記図「ハーフ&ハーフ」レンジ
■売りトラリピ:90円~100円
■買いトラリピ:80円~90円

「ハーフ&ハーフ」に設定しただけで、なぜ資金効率が高くなるの?

このような疑問を感じた方もいると思いますので、以下で解説していきます

トラリピ「ハーフ&ハーフ」のメリット

証拠金を約1/2に抑えられる【MAX方式】

トラリピを取引する際には証拠金と呼ばれる担保金が必要となります。

「マネースクエア」では、両建て時(同じ通貨ペアで買いポジションと売りポジションの両方を保有)の証拠金の取り扱いに「MAX方式」を採用しています。「MAX方式」とは、売り・買いのいずれかのポジションのうち、ポジションが大きい方に対してのみ、証拠金がかかる方式です。

そのため「ハーフ&ハーフ」の設定を行なうことで、必要な証拠金(担保金)がおよそ半分で済むということになります。

 

 

含み損を約1/3に抑えられる

さらに「ハーフ&ハーフ」の設定をすることで、含み損を含めた必要資金を約1/3に抑えることができます。

例として、81円~100円までに1円おきに1万通貨のトラリピを「買いトラリピのみ」と「ハーフ&ハーフ」で仕掛けた場合の含み損をトラリピ運用試算表で計算してみます。(トラリピ運用資産表はマネースクエアで提供しているトラリピのリスク管理ツールです)

 

図1のように「買いトラリピのみ」で設定すると最高値100円から80円まで円高になると190万円の含み損を抱えることになります

【図1.買いトラリピのみ】

 

「買いトラリピのみ」で必要な資金
必要証拠金①:724,000円
B地点(80.0円)での評価損②:-1,900,000円
必要な資金(①-②):2,624,000円

 

 

 

図2の「ハーフ&ハーフ」で設定した場合は、最高値100円から80円まで円高になっても45万円の含み損で済みます。

なぜ、これほどに含み損に差がでるのかというと、「ハーフ&ハーフ」で「買い」と「売り」を分けたことで、高値91円~100円の「買い」ポジションを持つことが無くなり、含み損が抑えられたためです。

【図2.ハーフ&ハーフ】

「ハーフ&ハーフ」で必要な資金
必要証拠金①:382,000円(※MAX方式により売りトラリピのみの証拠金)
■A及びB地点での評価損②:-450,000円
必要な資金(①-②):832,000円
「買いトラリピのみ」と「ハーフ&ハーフ」の設定の違いで含み損に145万円の差がでます。
含み損を含めた実際に必要な資金を計算すると「ハーフ&ハーフ」だと1/3以下の資金で同じレンジを運用できることがわかります。
必要な運用資金を求めるには
必要な資金(①-②)』=『必要証拠金』-『評価損(レンジの端まで行ったときの含み損)
となります。
比較(含み損を含めた必要資金)
■買いトラリピのみ:2,624,000円
ハーフ&ハーフ:832,000円
※同じレンジなのに「ハーフ&ハーフ」だと必要資金が1/3以下
以上が「ハーフ&ハーフ」に設定すると資金効率が高くなる理由です。
「ハーフ&ハーフ」はメリットだけではありません。次はデメリットについて解説します

トラリピ「ハーフ&ハーフ」のデメリット

レンジの上下に損失リスクがある

デメリットは仕掛けたトラリピ(レンジ)の上下に損失リスクが発生します。

 通常の「買いトラリピのみ」であれば、為替相場が上抜けた場合に含み損は発生しませんが、「ハーフ&ハーフ」では上抜けた場合も下抜けた場合も含み損が発生することになります。

設定したレンジから外れ、含み損が増えすぎて資金が足りなくなった場合は、ロスカットが執行され損失が確定します。

そのため「ハーフ&ハーフ」で運用する場合は、上抜けも下向けも無いほどにレンジを広く取り、リスク管理(トラリピ設定)を行なっていく必要があります。

 

マイナスのスワップが発生する

続いてのデメリットは、マイナススワップが発生します。

トラリピを含むFXでは、2国間の通貨の金利差であるスワップを受け取ることができます。銀行の利息のようなものです。

高金利通貨を買い建てるとスワップを受け取ることができます。逆に高金利通貨を売り建てる場合にはスワップを支払う必要があります、いわゆるマイナススワップです。

トラリピの利益は、売買差益が基本となりますが、スワップは売買差益以外に利益を得る唯一の方法です。

「ハーフ&ハーフ」では、買いと売りの両方を設定する以上、どちらかのレンジでは必ずマイナススワップが発生します。

 

下図は、201912月時点のトラリピで運用できる通貨ペアのスワップ一覧です。

 

 マイナススワップを「じわじわ効いてくるボディーブロー」と表現する人や「削られる毎日は気持ち良いものではない」とマイナススワップに嫌悪感を持つ人がいます。私も嫌悪感を持つ一人ですが、「ハーフ&ハーフ」のメリットはそれを上回るため、気にしないようにしています。

これまでの私の運用実績をみても売買差益に比べてスワップは誤差と言っていいくらい少額です。トラリピの利益を生み出すメインは売買差益であることが分かります。

 とは、いっても感情的にマイナススワップは絶対ヤダという人は「マイナススワップが大きい通貨ペアで運用しない」「設定するレンジの調整」などで戦略を見直す必要があるかもしれません。

 

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これまでの運用実績は以下の記事でご確認ください。

私のトラリピの運用実績と設定を公開中

 

 

トラリピ「ハーフ&ハーフ」のまとめ

「ハーフ&ハーフ」まとめ
MAX方式により証拠金を約1/2に抑えられる
含み損を含めた必要資金を約1/3に抑えることができる
仕掛けたトラリピ(レンジ)の上下に損失リスクが発生する
買いと売りのどちらかのレンジで必ずマイナススワップが発生する
トラリピを運用するなら「ハーフ&ハーフ」設定は必須といってよいでしょう。

わたしは10種中7種の通貨ペアで「ハーフ&ハーフ」設定を組んでおり、月平均12万円の不労所得を生み出しています。

 

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通貨ペアごとの設定は以下の記事で公開していますので、参考にしてください。

私のトラリピの運用実績と設定を公開中

 

 

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